Audacity Singapore
Client
Place
MISTLETOE SINGAPORE PTE. LTD.
Jurong, Singapore
Year
Link
2019
様々な革新技術を駆使して人類のウェルビーイング
を取り戻すことを提示した、シンガポールでの
都市型リノベーションプロジェクト。
グラフィック・空間・アーティスト活動によって、
約500㎡の工場空間に常識にとらわれない豊かな
都市の暮らしを表現。 アートディレクションでは
国内外8名のアーティストを巻き込み、
絵画・立体・音楽などジャンルにこだわらない
多彩な作品を制作。
様々な革新技術を駆使して人類のウェルビーングを取り戻すことを提示した、
シンガポールでの都市型リノベーションプロジェクト。
グラフィック・空間・アーティスト活動によって、約500㎡の工場空間に常識にとらわれない豊かな都市の暮らしを表現。
アートディレクションでは国内外の8名のアーティストを巻き込み、
絵画・立体・音楽などジャンルにこだわらない多彩な作品を制作。
Unlearn, Unlock, Unleash
Playground for ourselves
”Audacity is a movement to catalyse a humanity-centric future supported by innovative technologies. We orchestrate amidst chaos and seek aufheben moments with our philosophy of
Unlearning conventions, Unlocking innovation and Unleashing transformation.
Audacity welcomes innovators who can look beyond the current technology paradigm and test hypotheses across our agenda focus areas. With inclusivity as a core value, our initiatives are guided by a values-based culture to solve issues in communities, food, energy, work, education, healthcare and urbanisation."
シンガポールはこの数十年という短い期間の中で
急速に経済を発展させてきた多民族国家である。
都市国家の狭い土地では、るつぼのように
様々な民族や文化がひしめき合い、
それが同国の魅力の一つともいえる。
プラナカンという、マレーシアを中心とする
東南アジアの各地域にいた民族が
シンガポールにも残っている。
さまざまな地域の文化を組み合わせ
オリジナルなものを作り出すという文化が、
中国から渡り現地民族と混ざり合いながら
独自の文化を築いたプラナカナンの
特性であると解釈した。
プラナカン文化の最大の特徴は
さまざまな国や地域の文化が共存し、
違和感なく混ざり合っていることだ。
プラナカンの男性の正装に使われるバティック
(ジャワ更紗:インドネシアで発達した
ろうけつ染めの布地)の文様に、
インドの伝説の鳥ガルーダを模式化したもの
アラブ伝来のモザイク状の模様、
中国発の鳳凰のモチーフなどが
混在していることがある。
それらを巧みに取捨選択して組み合わせ、
“ どこにもない文化 ” を育んでいったのだ。
その文化に着想を得て、我々も
東南アジアのモノを買い付け日本の空間構成に
結び付けながら、日本及び世界中から招待した
様々なアーティスト達と空間を作っていった。
シンガポールはこの数十年という短い期間の中で急速に経済を発展させてきた多民族国家である。
都市国家の狭い土地では、るつぼのように様々な民族や文化がひしめき合い、それが同国の魅力の一つともいえる。
プラナカンというマレーシアを中心とする東南アジアの各地域にいた民族がシンガポールにも残っている。
さまざまな地域の文化を組み合わせオリジナルなものを作り出すという文化が、
中国から渡り現地民族と混ざり合いながら独自の文化を築いたプラナカナンの特性であると解釈した。
プラナカン文化の最大の特徴は、さまざまな国や地域の文化が共存し、違和感なく混ざり合っていることだ。
プラナカンの男性の正装に使われるバティック(ジャワ更紗:インドネシアで発達したろうけつ染めの布地)の文様に、
インドの伝説の鳥ガルーダを模式化したもの、アラブ伝来のモザイク状の模様、
中国発の鳳凰のモチーフなどが混在していることがある。
それらを巧みに取捨選択して組み合わせ、“ どこにもない文化 ” を育んでいったのだ。
その文化に着想を得て、我々も東南アジアのモノを買い付け日本の空間構成に結び付けながら
日本及び世界中から招待した様々なアーティスト達と空間を作っていった。
日本の建築空間の始原は ” 柱 ” である。
建物が作られる前にも
地鎮祭や上棟式のような儀式の時にも、
神籬的空間が作られカミの招来を待つ。
そして能舞台は、その神籬的な宇宙観を
内包する舞台に立つ者にカミを憑依させる
儀式的な舞台装置として使われる。
元々構造としてあった四つの柱に
アーティストが多民族としての
シンボルを外側の表面に、
そして Sublime( 荘厳 ) な空間として
結界を張るために柱の内側は金で、
柱をアウラで覆う事で結界を作った。
日本の建築空間の始原は ” 柱 ” である。
建物が作られる前にも地鎮祭や上棟式のような儀式の時にも、神籬的空間が作られカミの招来を待つ。
そして能舞台はその神籬的な宇宙観を内包する舞台に立つ者に
カミを憑依させる儀式的な舞台装置として使われる。
元々構造としてあった四つの柱にアーティストが多民族としてのシンボルを外側の表面に、
そして Sublime( 荘厳 ) な空間として結界を張るために柱の内側は金で、
柱をアウラで覆う事で結界を作った。
伝統的な能舞台には 、” 鏡板 ” という
カミが依り代として使う板が後ろに存在する。
影向の松がそこには描かれる。
舞台の演者は観客に向けてでは無く
影向の松という神に向けて演じているのだ。
この舞台では本来木であるべき鏡板を
透明なガラスにし、影向の松を越えて
工房空間をフレームする。
現代の依り代は何か?
何にカミは宿るのかをアーティストと考え
工房を含む物を作る人達、そして作られた物にこそ
カミは招来するのではないかと思い、
この透明な影向の松、
そして舞台の下の庭の空間を作り、
そこにアーティスト達の作品を鎮座させた。
そして、” 阿吽 ”。デジタルとアナログ両方の
製作方法を対峙させるために 2 人の彫刻家を呼び、
舞台の下の庭の中心にあるヴォイドには
大理石で作られた建造物の彫刻を、
そして屋根から吊られる箱の中には
3D プリンターで作られた森を
上下に配置して阿吽を中心に置いた。
伝統的な能舞台には 、” 鏡板 ” というカミが依り代として使う板が後ろに存在する。
影向の松がそこには描かれる。
舞台の演者は観客に向けてでは無く影向の松という神に向けて演じているのだ。
この舞台では本来木であるべき鏡板を透明なガラスにし、影向の松を越えて工房空間をフレームする。
現代の依り代は何か?何にカミは宿るのかをアーティストと考え
工房を含む物を作る人達、そして作られた物にこそカミは招来するのではないかと思い、
この透明な影向の松、そして舞台の下の庭の空間を作り、 そこにアーティスト達の作品を鎮座させた。
そして、” 阿吽 ”、デジタルとアナログ両方の製作方法を対峙させるために 2 人の彫刻家を呼び、
舞台の下の庭の中心にあるヴォイドに大理石で作られた建造物の彫刻を、
そして屋根から吊られる箱の中には 3D プリンターで作られた森を上下に配置して阿吽を中心に置いた。
舞台の他に、増殖可能なグリッドで出来た ” 棚 ” 、
我々が施工期間中に滞在していた
アパートのラウンジを移植した DJ ブース、
東南アジアで買い付けた物や素材達が
置かれるモバイルグリッド、
そして Space time bar MoCと
Edible MoC を製作した。
急速な経済活動によって成長し
アジアの中心に君臨する小国家シンガポール。
その経済活動のみに力を入れてきたこの国は
輝かしい中心の建築物達とは裏腹に人々のライフや
創造力は蔑ろにされているように見える。
少数精鋭な政府でこのような
都市計画プロジェクトを担う人々は 20 代が多い。
若い突破力にかけて常に前を向いてゆく
シンガポールの国家としてのエネルギーはこの先
この国をどう孵化させ動いていくのか、
とても興味がある。
日本政府の二の舞にならないようにカオスを恐れず
目や数字には現れない価値や
人々のモーメントを包括する都市を
Top と Bottom 両側から作って行けるのであれば
これからの社会を描き出す事ができるのかもしれない。
舞台の他に、増殖可能なグリッドで出来た ” 棚 ” 、
我々が施工期間中に滞在していたアパートのラウンジを移植した DJ ブース、
東南アジアで買い付けた物や素材達が置かれるモバイルグリッド、
そして Space time bar MoC、Edible MoC を製作した。
急速な経済活動によって成長しアジアの中心に君臨する小国家シンガポール。
その経済活動のみに力を入れてきたこの国は輝かしい中心の建築物達とは裏腹に
人々のライフや創造力は蔑ろにされているように見える。
少数精鋭な政府でこのような都市計画プロジェクトを担う人々は 20 代が多い。
若い突破力にかけて常に前を向いてゆくシンガポールの国家としてのエネルギーは
この先この国をどう孵化させ動いていくのか、とても興味がある。
日本政府の二の舞にならないようにカオスを恐れず目や数字には現れない価値や人々のモーメントを 包括する都市を
Top と Bottom 両側から作って行けるのであればこれからの社会を描き出す事ができるのかもしれない。